始めて間もない頃、仙台のあるお店に売込みいったところ、煙草の煙をこちらにはきだしながら、『粉引か、粉引なんか簡単でしょ」と言われたことがある、私は言い返す言葉が見つからなかった、簡単と言えば確かに簡単なのである、でもその簡単なことが未だにできないのです、ということは簡単ではないのかもしれない、火土水窯という名前も、小学生がまず習う漢字で、焼き物の要素が入っているし、簡単さが気に入りつけたのですが、粉引には必ず待ち受けている難問があるのです、これを解決しないと粉引はできません、化粧泥をかけると崩れる、割れるという難問で、耳朶くらいの硬さの粘土から、器の形をつくり、高台を削り出してから、化粧泥をかけるのですが、その乾き具合をつかむのが難しい、次回に続きます、宜しくお願い致します。