わたしの器 火土水窯(ひとみ)

わたしの器 火土水窯

tel0235-23-1933
営業時間/9:00~17:00

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白髪のお婆ちゃんは戦っていた。

1ヶ月ほど前から再開したことがある。徘徊だ、いわゆるウォーキング、散歩である。靴をそれ用に履き、上下シャカシャカウエアに着替え、スマホと骨髄伝道ワイヤレスイヤホンをし、ブルーハーツを聴きながら1時間位ぶらぶらする、コースは大体定着する、車の来ない土手の上だ、途中白髪のお婆ちゃんの合う、毎日徘徊しているわけではないが必ず同じところで会うのだ、赤ちゃんがママの顔を見つけて安心したような笑顔を全面に浮かべて、行き交う全ての人と、コンニチハと挨拶をする。

その次の言葉はない、言葉を持たずに産まれた赤ちゃんそのものの笑顔でコンニチハと、足元はトイレの緑のスリッパである、両手は見えない柵をつかんでいるのか、手すりにつかまっているような格好で、幽霊のウラメシヤの手付きにも似ているが、満面の笑顔なのだ。どうもそこは自宅の前のようで普段から家族の人にここから出ないでねと言われているのではないかと思う。白髪のお婆ちゃんも何かみえないものと戦っているのだと思う。その結果の笑顔なのだと思う、私の母もそうだった。

私はこの道をどこまでもいくのだ、何しろ徘徊中なのだ、仕事が溜まっているし、私も戦ってお婆ちゃんの笑顔を手にしたい、

 

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